足早に過ぎ行く人には家族から、
店を覗く人には自分から、
隣のあの人を見る人には愛しい人から、
空を見る人には空からのプレゼント
今宵冬を呼ぶために、
眠りの季節を呼ぶために、
たいまつをかざして、城に集い
皆で冬を称えよう。
小さな足を止める、冬の空の小さな芸術。
山の姫が、氷のしもべ達を連れて通り行く。
冬の原を行く少女。ふりかえると雪ウサギ。誰が作ったんだろう。でもさっきは
無かったような。足跡もあるし???
その様子をこっそり見ている雪だるま。
冬――南の空が白むだけの、夜の明けない季節。
永遠の夜を統べる女神を、皆で称えよう。
雪とともに小さな精霊達が空からやってきます。そして窓の外も、窓の中も 雪の香りで満たしていきます。
地平線の向こうから北風に乗って初雪が飛んでくる頃、村人達は冬篭もりの 準備を始め、旅人は南へと旅立つ。
遠くの山々が白くそまり、冷たい風が吹く季節になりました。
今日は この野原の池にも氷がはりそうです。
冷え込む街の夜、通りには人の姿もなく 窓の灯も一つ また一つ消え始めるころ、
初雪を連れて雪の少女がやってきます。